4年生は社会科の学習「健康なくらしとまちづくり」の中で「ごみ」と「水」をテーマに学びを深めてきました。教室で一通りの学習を行った後は、施設の見学や現地での体験学習も行います。実際に自分の目で見て、仕事に携わっている人の話を耳で聴いて、そして心で感じたことを自分の財産にできるようにと考えての計画です。
今回は、先月6月14日(月)に松本クリーンセンター(松本市)、7月6日(火)に本山浄水場(塩尻市)を訪れたときの様子について、社会科担当の先生から報告です。
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4年生はまず、学校や家で出るごみについて調べ学習をしました。すると、自分たちが思っていた以上にごみが多く出ていることが分かりました。クリーンセンターのパンフレットを読んだりDVDを視聴したりすると、当然のように「現地で見たいこと・聞きたいこと」が浮かんできます。
●「ごみクレーンが1回につかめる量は3.6t」とあるのに、「焼却炉に入れる量は大体2t」になっているのはなぜ?他の1.6tはどうなる?
●焼却炉で燃えるごみに冷たい空気をかけるのはなぜ?
●ごみ処理上で働いていて困っていることは?
3つ目の質問の本意は、ごみを出す側の私たちが気をつけなければならないことです。こうした質問が出ることに、生徒たちの意識と関心の高さがうかがえました。
当日は、クリーンセンター、リサイクルプラザ、新製品のペーパーラボの3ヶ所を案内していただいたのですが、メモを丁寧にとりながら、生徒たちにはいろいろと気づきがあったようです。
帰校後は、見学をまとめた内容からそれぞれが伝えたいこと3点を厳選し、「クリーンセンターの様子」「今のごみに関わる問題」「3Rについて」「私たちにできること」などをトピックに新聞づくりをしました。一人一人がごみの問題に興味を持って深く考察できており、大きな収穫があった学習だと思います。
続けて、水の学習です。詳しいまとめはこの1学期中に行う予定ですが、ごみの問題を学んだ時と同じように多くのことを吸収することができました。私たちのもとに水が届くまでには大変な時間がかかること、たくさんの人の関わりと努力があることを知りました。
浄水場を案内してくださった方は、「水をきれいにするために、川にごみを捨てないでほしい」とおっしゃっていました。ごみの学習と通じることでもあり、2つの学習に深いつながりができました。
7月8日(木)、本校の6年生と日本最大の学生ボランティア団体・IVUSA(東京)に所属する学生のみなさんとのオンラインミーティングを開催しました。
先月6月12日(土)にIVUSA理事の宮崎猛志さんを迎え、災害ボランティアとIVUSAの活動について直接講義を受けた6年生ですが、今回はウェブ会議システム「Zoom」のブレークアウト機能を利用してグループごとの交流が実現。
初顔合わせということで、お互いに自己紹介をした後、6年生は「IVUSAに入ったきっかけを教えてください」「どのようにしてIVUSAのことを知りましたか」などと質問。学生のみなさんからは、「もともと地域貢献活動につながることをしたいと思っていたから」「報道で災害の様子を見て、助けたいのにすぐ実行できないもどかしさがあったが、IVUSAを通じて行動できると思った」といった返答をいただき、6年生はよい刺激を受けたようです。
9月には宮崎さんはじめIVUSAの学生のみなさんに来校いただき、ボランティアの体験をする予定です。
今回改めて災害ボランティア活動の実態に迫り、生徒たちの防災意識を高めるための取り組みはこれから一層本格化していきます。人や組織のつながりを大切にしつつ、オンラインでも学びを深めていけるよう、学内でも教育内容の充実に努めます。
宮崎さん、学生のみなさん、本日はありがとうございました。
〈あるグループの感想〉
学生の方との話はとても楽しかった。ボランティア活動をしていて楽しいことはありますか、と聞いたら、「人の笑顔を見ることができたとき」と答えてくれた。
反対に、どんなときに辛いと感じるかを聞くと、「誰かのために活動することはとてもやりがいのあること。満足感や達成感の方が大きいので疲れたと思うことはそれほど多くない」という答えが返ってきて驚いた。
コロナの影響でどうなるかわからないけれど、今後、学生のみなさんに直接会ったら、もっとたくさんのことを聞きたいしいろいろなことを一緒にやってみたい。
※画像は一部加工しています。
投稿日:2021.07.06
才教学園は今年度より、STEAM教育を一つの軸にして学習を進めています。その強力なツールとなるのがタブレットなどのICT機器。子どもたちの興味関心に即しながら、「21世紀型スキルを身につける」という目標を達成する上で欠かせないツールになります。全国で推進されているGIGAスクール構想も意識しながら、本校でも生徒のタブレット所持に向け準備をしてきました。
学校を通して購入注文を受け付けた4月には、生徒たちは口々に「いつ届きますか?」「早く使いたいです!」と言って、早くも待ちきれない様子でした。日頃の授業で教員がタブレットとモニターを接続して使う姿を見て、「先生たちがやっていることを、私たちもできるようになるんですよね?」「みんなで同時に使えたら、もっと色々なことができそう」といった声も上がっていました。
生徒にタブレットが渡ったのは、6月30日午後のことでした。1台1台手渡すと、大切そうに両手でしっかりと箱を抱く生徒たち。ずっしりとした重みとともに、大きな期待感―これから経験するであろうたくさんの楽しさやワクワクも抱いているように見えました。大切なタブレットが入った箱は、それぞれのカバンに丁寧に収めて下校しました。
生徒には、お家の方がみなさんのために用意してくださった高価なものを、長く大切に使ってほしいと思います。(「長く大切に使う」は、値段に関わらず他の文房具なども同様です!)
ICT機器はとても便利な道具ですが、だからこそ使用上のルールをしっかり決め、守る必要があります。端末を使いこなすという点では、アプリを自由に操作することと並び、車輪の両輪とも言えることです。今後はそうした情報モラル、情報リテラシーについての指導も重点的に行い、端末を日々効果的に活用して協働による学びの充実に取り組みます。
例年、8年生が行っている英語キャンプは今年で8回目となりました。乗鞍でロッジとアウトドアスクールを運営するノーススターを利用させていただき、1泊2日(6月24・25日)のオールイングリシュでの生活でした。
このキャンプの目的は、大きく3つ。英語を「体で学ぶ」ことができる環境の中で外国語を使ってコミュニケーションを取ることの面白さを体験し、来年度の修学旅行や今後の外国語学習に活かすこと。アクティビティを通して勇気(チャレンジ精神)、リーダーシップ、信頼、コミュニケーション能力、協調性、課題解決能力を養うこと。そして、集団での活動を通して倫理観(規律)、愛(思いやり)、自立心・責任感を養い、協力することを学ぶことです。
学校の中では定期的にオンライン英会話に取り組んでいますが、生活の中での英会話の実践は無きに等しいので、座学で学んできたことを試す機会として貴重な行事です。
事前に個人で目標を立て、その目標を全員で共有し、協力し合いながらクリアをしていく姿は、2日間の中で多く見ることができました。達成感に溢れる生徒の笑顔はとてもすがすがしいです。残念ながらクリアできないこともありますが、そのくやしさを次への原動力としていく生徒たちに、逞しさを感じました。
自らを鍛えることができたこのキャンプを通して、さらに新たな課題に気づくことができました。それを今後の生活の中でクリアし、より大きく成長を続けていくことを期待したいと思います。
※感染防止のため、生徒、教職員、現地スタッフは常時マスクを着用。集合写真を撮る短時間は、細心の注意を払ってマスクを外しています。
6月19日(土)、中島さち子先生による特別教育講演会を開催しました。今回は、感染症の状況を鑑み、ご来校という参加方法に加え、YouTubeでのライブ配信を行いました。結果的に、多くの方々にライブ配信でもご参加いただき、学校とオンラインの二ヶ所で感染症の感染リスクを抑え、安全に講演会を開催することができました。
今回、中島さち子先生には「STEAMが育む 21世紀を生き抜く力 創造のワクワクと可能性」というテーマでお話をいただきました。中島先生は日本人女性として初めて数学オリンピックで金メダルを獲得した数学者でありながら、ジャズピアニストやメディアアーティストとしても活動している非常に多才な方です。数学や音楽、アートといった様々な分野を横断しながら活躍する中島先生は、ワクワクしながら学ぶSTEAM教育を体現しているような方でした。
「STEAM教育って何?」という疑問は多くの人が持っていると思います。STEAM教育はまだ新しい教育であり、様々な捉え方ができます。中島先生はその一見難しく感じる「STEAM教育」を、「遊び」「ワクワク」「創造」といったなじみのあるテーマに即して説明してくださいました。豊富な実践例に基づいたお話は分かりやすく、参加者からは積極的な質問や意見が多く挙げられました。
才教学園では今年度よりSTEAM教育の一環として、中島先生が役員である「STEAM Sports Laboratory Inc.」とのコラボレーションが始まります。またそれ以外にも様々な個人や企業とコラボレーションすることで、生徒たちがワクワクしながら、共に創造するような学びの場を作っていきます。
本校では今後もSTEAM教育をテーマに様々な行事を行っていきますのでぜひご注目ください。
中島さち子先生
投稿日:2021.06.24
2年ぶりの体育祭に臨んだ才教生。
生徒会から組織された4つの係のリーダーと、赤組・白組の正副キャプテン、正副応援団長の感想などを「体育祭レポート」に掲載しました。
第16回体育祭レポートはこちらからご覧いただくことができます。
オープンスクール 7月17日(土)の内容変更について
日頃は才教学園にご理解とご協力をいただきありがとうございます。
7月17日(土)に予定しております「オープンスクール」ですが、株式会社 math channelのご厚意により、「ワークショップ」を第1部、第2部に分けて実施することになりました。
在校生による「わくわくひろば」は中止とさせていただき、ご希望の方にはワークショップの前後に教職員による「学校見学ツアー」を実施いたします。
当初予定していた内容と一部変更になりますが、ご理解いただけると幸いです。
日時:7月17日(土)9:30~12:00
対象:未就学児とその保護者
場所:才教学園小学校・中学校
内容:ワークショップ、学校見学(希望者)
1.ワークショップ
「体験、教材活用を通して学ぶSTEAM教育」
講師:横山 明日希先生・数学のお兄さん
第1部 9:40~10:40
第2部 11:00~12:00
(第1部、第2部 いずれも同じ内容になります。)
幼少期から10歳までにどのような体験や教材を通して学ぶことが、これからの社会に求められているのか、
これからのトレンドとなってくるSTEAM教育にどのように繋がっていくのかを事例と体験を交えて学べる内容です。
2.学校見学
ワークショップの前後に学校見学ツアーを行います。
本校の教職員がご案内いたします。
見学ツアー1 10:00~10:45
見学ツアー2 10:50~11:35
お申し込みはこちらから
(申し込み例)
〇ワークショップ(第1部)+学校見学ツアー2
〇ワークショップ(第1部)のみ
〇学校見学ツアー1 + ワークショップ(第2部)
〇ワークショップ(第2部)のみ
株式会社math channelのページはこちら(別ウィンドウ)
*既にご予約いただいている皆様には、別途ご案内申し上げます。
<新型コロナウイルスの予防について>
本校では、安心して説明会にご参加いただくため、参加者の皆様に以下の新型コロナ感染対策をお願いしております。
・事前予約制となります
・受付時に、サーモマネージャーによる検温、健康チェックカードのご提出のお願い。
・アルコールによる手指消毒
・座席の間隔を広くする
・会場内の換気の徹底 その他
地域の感染拡大状況次第では、イベントを延期・中止することがございます。
ワークショップ イメージ写真
ワークショップ講師の横山先生
研修旅行の行き先を東北地方にしている6年生。2011年に発生した東日本大震災について学ぶ機会があること、日本全国いつどこで災害が起こるかどうかわからないことなどを踏まえ、「防災について学ぼう」を今年のSTEAM教育のテーマにしています。
6月12日(土)は、NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)理事の宮崎猛志さんをお招きし、東日本大震災とボランティアについてお話しいただきました。
震災が起きて数日で現地入りをし、厳しい状況の中で活動をされた宮崎さんの話は、生徒たちの心に深く刻まれました。最も子どもたちの気持ちを動かしたのはボランティアについての話です。
災害救援ボランティア活動は、普段の生活では一人でもできていたことが、災害が起きたことでできなくなった・・・誰かの手伝いが必要だーというときの支援活動を指します。報道でよく見かけるがれきの運び出し、倒壊家屋の片付け、水害で床下にたまった大量の泥をかき出すなどの重労働を伴い、特別なことというイメージが強くなりがちですが、要は『困りごとのお手伝い』なのだそう。
・散らかった部屋の片づけ
・避難所での食事作りや食器洗い、倉庫の備品管理
・水などの救援物資を渡す作業
・片付けで大人が忙しいときに子どもと遊ぶ
・学校が再開するまで勉強を教える など
「災害が起きた地域の家庭や避難所の中を回って、困っていることはありませんかと声を掛けることもヒアリングというボランティア活動。相手の話を聴く傾聴ボランティアというものもあります。ボランティア活動は危険なことだけではなく、ごく普通のお手伝いも含まれます。特別な資格がなくてもできることがたくさんあるので、どんなお手伝いができるか、まずは考えてみてください。」と宮崎さん。
講演後、各クラスに戻ってグループで話し合いをすると、やはりボランティアについての話題が多く出ました。「ボランティアは難しいことではない。自分の得意なことを生かしたボランティアをやってみよう」という宮崎さんの話が印象深かったのか、ぜひボランティアをしたいという声が多数あがりました。
STEAM教育で大切なことのひとつは、「やってみたい」「やってみよう」という生徒たちの思いです。教員はファシリテーターとして、その思いを実現できるように今後の計画を立てていきます。
宮崎さんから「ボランティア」について話を聴く6年生
教室で講演を振り返りました