4月13日~17日、中学3年生は、オーストラリアケアンズに修学旅行に行きました。
才教学園の修学旅行はただの思い出作りの旅行ではなく、社会人が行う合宿研修のような旅行です。数か月前からの事前学習で設定した調査課題と自らに課した成長課題を持って出発し、旅行中の数々の体験を通して、両方の課題の答えを見つけ実感します。高い志を持った人になるための高い大きなハードルです。
バスで学校を出て5時間かけて成田空港に到着。出国審査を済ませ搭乗待ちの間、早速インタビューを始める生徒もいました。搭乗後、CAが敢えて英語で話しかけてきたり、機内アナウンスも英語で、否が応でもオーストラリアへの気持ちが高まりました。
ケアンズ1日目の行程は、パームコーブビーチの散策→キュランダ観光列車→キュランダ村の散策→レインフォレスト(アボリジニーの文化の見学、熱帯雨林の見学)→スカイレール体験でした。天候にも恵まれ、オーストラリアの自然・文化・歴史を全身で感じた初日でした。
夕食後は恒例の反省会です。自分自身の1日の行動を振り返りました。「人の話を聞くときの態度はどうだったか。 あたりまえのことをあたりまえに出来ていたか。責任を持った行動がとれていたか。」 改善すべき具体的な行動をしおりに書き込みました。
先生から「この修学旅行は1つでも2つでも成長できるチャンスだ。両親からもらったチャンスであることを忘れないで、自らの殻を破ってほしい。」と話がありました。生徒の決意表明では「英語にひるまずに、コミュニケーションをとります。」、「明日は積極的に動き、成功体験をこの場で語ります。」、「まわりの様子を見て動かず、自分が雰囲気をつくれるように動きます。」と前向きで熱意に溢れた言葉が聞かれました。気づけば2時間が経っていました。
ケアンズ2日目は、セントラルショッピングセンターで午前10時から午後4時までかけてインタビュー活動を行いました。
最初から全員がうまく会話ができたわけではありませんでした。話しかけても話したいことが伝わらない、インタビューを断られ、諦めてしまいそうになっていた姿もありました。「話しかけることが怖い」と口にし、表情が暗くなっている生徒もいました。しかし、自らを奮い立たせ、笑顔での挨拶から始め、何人もの人に接するうちに、相手の目を見て身振り手振りを交えて話すことが出来るようになりました。目標の一人30人は全員成し遂げ、最高は121人にインタビューした生徒もいました。
引率する教員も生徒たちの姿勢から、挑戦すること、自分の限界を設定しないことの大切さを学ばせてもらいました。やり遂げた全員、すばらしい姿でした。
さらに、活動中に現地のご婦人から、「この学生の皆さんは礼儀正しく素晴らしい。」とお褒めの言葉をいただきました。学ぶ一方ではなく、逆に日本人としての奥ゆかしさ礼儀正しさを良い形で伝えることができました。
ケアンズ3日目は、現地の大学生との交流(ケアンズの街を散策)→グリーン島へ行きました。世界遺産のグレートバリアリーフの美しい海に入り、自然を肌で感じることができました。
最終日の反省会は、1分間スピーチです。「笑顔、相づち、目を見て話すこと、相手を気遣うことがどれだけ大切かわかった。」「拙い英語を一生懸命聞いて下さり、オーストラリアの地で愛をもらいました。その愛と感謝を今度は自分が伝えたい。」「まわりの様子を見ることができる余裕をつくるには、まず自分が自分のことを積極的にやらないといけないことに気づいた」「『オーストラリアの人は日本人を愛しています。』と言ってくれた。日本人ひとり一人の小さな心がけが世界中に広がっていることがわかり日本人としての誇りを感じた。誇りを持って生きていきたい。」など、各自の気づきや成長したことを述べ、今後の決意に溢れたスピーチでした。
締めくくりに校長先生から、「君たちは、大人になると常に新しい環境に置かれ続けるということを覚えていて欲しい。その時にどう行動できるのか、今回の日々の反省が生きてくる。礼儀正しさ、チャレンジ精神、勇気、自分自身への愛情を思い出すことで、その時の行動を決定することが出来るはず。今まで経験したことのないことに挑み、振り返って、新しい自分を発見できた。これは原点に立てたということ。」と総括がありました。更に、来たるべき将来の社会についての説明があり、「いざという時に力になるのは、どれだけ学んだかということ。貪欲に学びなさい。」という話がありました。
翌日、昼発の飛行機で帰路につきました。
深夜帰校した時に、見違えるほど逞しく、自信を持った表情に変わった生徒の様子を見て、保護者の皆様も我が子の成長を実感されたと思います。
今回学んだことは生徒達の今後の人生に必ず活きてくるはずです。教員一同、無事に引率できたことに安堵しつつ、生徒の確実な成長に大きな達成感を抱いた修学旅行となりました。
4月9日(木)、久しぶりの学校に多くの荷物を持った子ども達がやってきました。進級した新しい学年での一年のスタートです。目をキラキラ輝かせながら登校してきました。
始業式では、小松校長より「今日の気持ちを忘れずに1年間過ごして下さい。みなさん一人ひとりが自分のやるべきことを自覚して行動して欲しい。
先日、野球の全国大会に出場した中学校の監督さんに会う機会があり、全国で優勝できるチームはどんなチームですかと質問したところ、「当たり前のことが当たり前に美しく出来る。挨拶・返事、話し方が素晴らしく、常に全力プレー。優勝するチームは必ずそうだ。」とおっしゃっていた。
私は、才教学園を日本一の学校にしたいと思っているので、皆さんも「当たり前のことを当たり前に」一緒に頑張っていきましょう。」という話がありました。
その後、バス会が行われました。才教学園は、電車・バス・自転車・送迎・徒歩など様々な方法で通学する子どもがいます。安全に、ルール・マナーを守って通学できるように、一つひとつ注意点を確認しました。電車通学の子どもは、駅の利用の仕方も学びました。安全に、周りの人に迷惑をかけないように通学出来るよう、継続的に指導をしていきます。
4月8日(水)、平成27年度入学式がまつもと市民芸術館で行われました。
新入生は、在校生・保護者の方の拍手の中を堂々と入場した後、一人ひとり名前を呼ばれ、「はい!」と元気な返事とともに起立し、紹介されました。
小松校長の式辞では、「『世のため人のために尽くす高い志を持った人になるために今何をすべきか』を常に考え、才教生としてのプライドを持って学校生活を送ってほしい。
才教生は卑怯なことや、悪口・陰口、いじめなどというくだらないことはしない。困っている人や弱い人のため、また社会のため国のために、助けよう、役に立とうという気持ちを常に持って、勉強に励み、行事に取り組み、友達と切磋琢磨し、自分を高めていくのが才教生の姿。
現れるハードルに自分の力を信じてチャレンジするように。教職員一同は本気で皆さんと接し、教え導いていく。」と、激励の言葉が力強く述べられました。
新入生代表の挨拶では、小学1年生代表が、「去年、さいきょう祭で1年生の発表を観て、『来年は僕も出るんだな。どんな発表をするのかな。』とワクワクしました。今日から才教学園小学校の1年生になれて、とても嬉しいです。」と期待に胸を膨らませ元気に話し、中学1年生の新入生代表は、「将来の夢を叶えるために、高い学力、幅広い知識、コミュニケーション力を身につけ、才教学園中学校で、今まで以上にしっかりと勉強して、仲間と切磋琢磨していきたい」と抱負を述べました。
在校生代表は、「才教学園はとても楽しく、学ぶことがたくさんあり、自分次第でいくらでも成長することのできる学校です。仲間と共に切磋琢磨しながら歩んでいきましょう。」と新入生にメッセージを送りました。
これから才教生としての生活が始まります。初心を忘れず、充実した学校生活を送っていってもらいたいと思います。
教職員一同、学校生活が充実したものになるよう全力を尽くしていきます。
ご臨席頂いたご来賓の皆様、新入生の保護者の皆様、ありがとうございました。
3月17日(火)、平成26年度 中学校卒業式および小学校課程修了式」を挙行しました。多くのご来賓、保護者のみなさまに見守られ、卒業生・修了生一人ずつに校長から証書が手渡されました。
校長の式辞に続き、ご来賓代表と校友会保護者会による祝辞をいただきました。修了生代表者の「感謝の言葉」、卒業生送辞、答辞には、それぞれの思いと決意が込められていて素晴らしかったです。
最後は卒業生の歌と全校による校歌で締めくくり、卒業生はあたたかい拍手に送られて会場を後にしました。
ご臨席いただいたご来賓の皆様、卒業生の保護者の皆様、本当にありがとうございました。
卒業生、修了生のみなさん、おめでとうございました!
3月19日(木)、3学期終業式が行われました。
終業式の前には、一年間使った教室に感謝して大掃除を行い、一年間の汚れを一生懸命に落とす姿が見られました。普段掃除ができないような教卓の下等を掃除するために、友だちと協力して運んだり、ロッカーの裏側まで丁寧に掃除をしていました。
小松理事長から、「4月からは1学年あがり、グレードアップします。新たな気持ちで目標を定めて始めてください。」と話がありました。
下辻校長は、修学旅行、体育祭、登山遠足、研修旅行、さいきょう祭、英語劇、引き渡し訓練、プレゼンテーションコンテスト、卒業式・修了式と、月ごとの行事を挙げてこの一年を振り返り、「次の学年で志をさらに膨らませて成長してください。」と話しました。
春休みは、一年間のまとめとして自分の課題に取り組み、また次の学年への準備をする大事な休みです。体調には十分注意して、児童生徒のみなさんが4月に元気な姿を見せてくれることを祈っています。
3月13日(金)に、中3を送る会が行われました。卒業間際の中学3年生に才教学園での思い出を振り返ってもらい、卒業生と在校生の交流を通して互いに感謝の気持ちを伝え合いました。
まず、小学3年生から6年生は「この地球のどこかで」を歌いました。お世話になった先輩に感謝の気持ちをこめた小学生らしい素直な歌声に心を打たれました。
次に、中学1年、2年の各クラスによる出し物をやりました。映像と劇を混ぜた出し物で、少々笑いもあり、楽しく見ることができました。劇をやるだけでなく、マシントラブルなどで時間ができるとアドリブでつないだりと、人前でも堂々と話せる才教生の度胸の良さにはいつも驚かされます。
そして、中学3年生による歌・一言がありました。中学3年生は、「遥か」の合唱でした。その後、くす玉を割りました。「さらば後輩、後を任せた!」などメッセージが仕込んであり、感動するだけでなく楽しませてくれました。
中3は、体育祭等で小1~中3までをまとめ、さいきょう祭ではキッセイ文化ホールの舞台でミュージカルをやってきただけあり、パフォーマンスも素晴らしかったです。
その後、才教学園で9年間を過ごした中3の先輩よりお礼の言葉を涙ながらに頂きました。今まで自分は送り出す側だったのに、今年は送る側になった気持ちを語ってくれました。
最後に、思いでムービーで、中1の時からの思い出を振り返り、中学3年生は、才教での思い出を一つひとつ思い出したことと思います。また、在校生は、お世話になった先輩に感謝をすることができました。
高校に行っても才教学園のことを忘れずに、頑張ってほしいです。
「達成するまで不可能に見える」これはネルソン・マンデラの言葉だ。この言葉を聞いたとき、「私が才教学園で学んだ事そのものだ。」と感じた。
私が幼稚園の年長の時に、「真のエリートを育てる」という学校の教育理念を聞いて、幼いながらも魅力に感じた覚えがある。あれから九年。もう卒業を迎える。この九年間で感動体験や日常の学校生活から数えきれないほどのことを学んだ。
私はこの才教学園での生活で高いハードルに挑戦することの大切さを身に染みて感じている。特に「さいきょう祭」では毎年先生から高いハードルを突き付けられる。私たちはその高いハードルを超えるために四か月ほどの「努力」をする。特に今年のさいきょう祭はすごかった。高校生の部活で演奏するような曲だったのだ。友達は難しそうだ、と言っていた。もちろん私もそう思ったが、そこまで不安にならなかった。なぜなら今まで八年間、ずっと難題を出されてもみんなで乗り越えてきたからだった。その時に自分の成長を感じた。さいきょう祭は無事成功に終わった。その瞬間に小学校一年生からのことがフラッシュバックされたようだった。楽屋では涙が止まらなかった。このような経験ができたのも今までの積み重ね=「努力」があったからに違いない。
私は本当に「努力」という言葉が好きだ。自分なりに精一杯「努力」しているつもりだったが、それが結果に結びつかず、いっそのことやめてしまおうかとも思った。「努力は必ず報われる」よく言われる言葉だ。しかしかの有名な王貞治はこれだけでは終わらない。「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。」これを聞いたとき自分が恥ずかしくなった。
「努力」というのは目標達成に向かって心身を労してつとめることである。最近の私の目標はテストでいい点数を取ることはもちろんだが、将来の通過点である「第一志望に合格する」ことだった。私の第一志望校は首都圏の学校だったため今、志論文を書いているのは受験を終えた自分である。
私の父は単身赴任をしていた。私は「この機会に自分の夢に近い学校に行きたい。」と思ったのだ。そのとき両親から勧められたのが第一志望校だった。その学校は当時の自分とはかけ離れ過ぎていた。試しに一回、英語の過去問を解いてみたところ、堂々の十点台であった。その時に諦めようと思った。しかし今まで才教学園で学んできたことを振り返ってみたときに「勇気・諦めない心」という言葉が浮かんだ。その時に「精一杯努力し、チャレンジしよう。」と決意した。
最初は第二志望校の受験だった。合格していた。偏差値からすれば、奇跡ともいえるような合格だった。そこで私は第一志望校に合格するためにさらにラストスパートをかけた。先生は私に「成長した。」とおっしゃってくれた。今までの私だったらもう満足してスパートなどしないと思ったそうだ。第一志望校が受かったときは一時間ほど涙が止まらなかった。「努力してきてよかった、諦めなくてよかった。」その言葉しか出てこなかった。
私の夢は医師になることである。患者はもちろんのこと、その家族も救えるような医師になりたい。頭がいいだけではだめだ。人として優しい心を持って生きていきたい。また、才教学園で学んだ「勇気・努力・諦めない心」を大切にしていきたい。この九年間で得られたものは私の生きる上での重要な基盤を形成してくれた。その基盤を信頼して日々将来に向かって「努力」していく。
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才教学園の三大行事の一つ、プレゼンテーションコンテストが2月14日(土)に開催されました。小学校4年生から中学校1年生までで、各クラスでの予選を勝ち抜いた代表によるプレゼンテーションが行われ、それぞれの代表が個性あふれる発表を行いました。
才教学園では先達に学ぶ発表会をはじめとして、発表する力を重要視した教育活動を行っています。プレゼンテーションコンテストはその発表する力を最大限にいかす場所です。その発表の内容も自分たちで調べまとめており、パフォーマンスにかぎらず、資料の調べ方や活かし方、原稿作成など、表現活動全般を伸ばすことができる行事です。
本選を前にして行われた各予選に向けて、子ども達は発表練習を何度も繰り返しました。子ども達同士が互いの発表を聞き合い、聞きやすい話し方や見やすい資料作りができるようアドバイスをしあっていました。
参加したすべての子ども達が自分のもつすべての力をだした予選会を経て、本選へと進む代表が選出されました。
当日、それぞれの発表者は緊張した面持ちでしたが、やはり代表による発表ということもあり、その内容に聞き入っている子どもが多くいました。保護者の方々や審査員としておいでいただいたご来賓方々からは、大人が聞いていても初めて知る内容が多く、勉強になったという声が聞かれました。中にはユーモアを交えた発表もあり、会場全体から笑みがこぼれる場面もありました。聞いていた子ども達からは、訴えかけるような語り口や、現場に足を運んで調査する行動力を見習いたいという声がありました。出場した児童生徒からは、「たくさんの人の前で発表することはとても緊張したが、最高の発表ができた。今後にいかせるいい経験ができた。」という声が聞かれました。
こうした行事から得られる物事を伝える力は、これからより求められていく力です。これからもプレゼンテーションコンテストを中心に、才教学園は表現力を育む教育を行っていきます。
2月9日(月)、中学3年生が和楽器の演奏を体験しました。
まずは、尺八と箏の二重奏「春の海」の鑑賞からです。この曲は瀬戸内海の春の風景を表現したものだそうです。ふたつの楽器の音色や音の強弱から、舞い散る桜、波打つ海…など、それぞれに「春の海」の情景を思い浮かべました。
そして、実際に一人ずつ箏の前に座り演奏方法の実践です。
ほとんどの生徒が箏は初挑戦。「合せ爪」や「すくい爪」、ピッツィカート、トレモロなどの奏法を教えていただきました。なかでも「流し爪」は、一番手前の“巾”と呼ばれる弦から奥の弦までを連続して弾くもので、まさに箏らしい奏法でした。練習が進むにつれ、生徒たちは演奏に親しみを持ち、自然と熱がこもっていきました。
今回、日本の伝統芸能に実際に触れて、邦楽の穏やかな美しさを味わうことができました。丁寧にご指導いただいた先生方、ありがとうございました。
【生徒の感想】
・昔からの楽器は原始的な音ですが、例えば弦を押して半音上げるなどの仕組みが本当に工夫されていることが分かり、画期的だと思いました。
・ピアノ、バイオリン、リコーダー、ドラムといった楽器の演奏を経験してきましたが、箏は楽器の中でも一番難しい楽器だと感じました。弦の数が13本と多く大変でしたが、自分的にはその独特の音色がいいなと思いました。
・ピアノの演奏で上半身を音楽に合わせて動かして弾くのを見たことがありますが、箏を奏でるときは、弦をおさえたりするので、“感情にまかせて”ではなく、“弦をおさえる”という理由を元に体を動かすため、姿勢が大切だと思いました。
理科で「琴柱(ことじ)の位置を変えると音の高さが変わる」とありますが、実際に手元の琴柱の位置を変えて音の変化を聞き、感動しました。自分が力を加えたことで弦が振動して音が出ているということが実感できておもしろかったです。