1. ホーム
  2. さいきょう祭レポート
  3. 2019度版

さいきょう祭レポート2019

第15回さいきょう祭 開会式

投稿日:2019.12.03


 第15回さいきょう祭が行われた1025日は、朝から強めの雨が降るあいにくの天候でした。会場のまつもと市民芸術館に早くから列を作った多くの保護者やご家族の皆様は、生徒を笑顔で送り出し、「今年はどんなステージが見られるのだろう」と期待していらっしゃったのだろうと思います。


長期間、運営に尽力してきた実行委員会。リハーサルの段階から熱心に準備を進めてきた楽器係。校内新聞のために写真撮影に奔走していた報道委員会。表に出ない部分の頑張りも実を結ぶ、本番当日を迎えました。


 


学校長挨拶


「成長した姿を存分に見せつけてください」


本日は、さいきょう祭にご来場いただきありがとうございます。今年のスローガンは、「an infinity of possibilities」、‟無限の可能性”です。このさいきょう祭を形容する言葉として、これ以上の言葉はありません。


さいきょう祭は単なる発表会ではなく、生徒一人ひとりが自分を見つめ直し、個や集団の可能性を見出し、魂を震わせ昇華を遂げていく場です。そのために高いハードルを設定し、限界に挑み、殻を破って自らを成長させていかなければいけないのです。その姿を、思う存分、ご家族の方に見せましょう。


『自分の夢や可能性や希望を実現していくために、最後にものをいうのは執念である』とは、ウィリアム・シェイクスピアの言葉です。みなさんの執念を、私も客席から見守ります。


保護者の皆様には、今日のために準備にご協力いただいたこと、子どもたちの背中を強く強く押していただきましたことを感謝いたします。「成長した姿を見せたい、笑顔にさせてあげたい」、そういう思いでステージに立つ子どもたちの姿を目に焼き付けてください。今日一日が、会場の皆様にとって素敵な一日になることを願います。


 


さいきょう祭副実行委員長挨拶  林 諒祐くん


「全員で本気になって、感動を分かち合おう」


みなさん、おはようございます。今日は待ちに待ったさいきょう祭の日です。夏休み前からの各演目の練習は簡単なものではなく、ときには苦しく辛いこともあり、壁に何度もぶつかりました。しかし、この日のために練習を積み重ねてきました。今日は、その成長した姿を皆さんに見ていただきたいと思います。


先日の台風19号により多くの方が被災され、現在も復興・復旧の作業が続けられています。私たち才教生が直接何かをするということは難しいですが、さいきょう祭という場を通じ、より多くの人にエネルギーを届けられたらと思い、一生懸命に、心を込めて頑張ります。そして、会場の皆様と私たちが本気になることで、感動を分かち合いたいと思います。


これから始まるステージを、お楽しみください。


学校長挨拶

副実行委員長挨拶

1年 音楽劇「みらいへのおくりもの」

投稿日:2019.12.03


 軽やかなスキップで元気よく登場してきた1年生。わくわくするような新しい一日の始まりです。知りたいこと、やってみたいことがいっぱい。それに、野球選手、フィギュアスケートの選手、みんなの命を助けるお医者さんになりたいなど、次々に将来の夢を話し始めます。


では、その将来・未来とは?


「お掃除や車の運転が自動でできるようになるかも」「今よりも便利な世の中になりそう」などと想像がふくらみ、話は尽きません。


 


場面は変わり、少し先の未来へ―。


無機質なロボットの声が聞こえ、細かな健康チェック、キャッシュレス決済など、どうやら機械任せの生活に様変わりしたようです。将来の職業も、ロボットの適正診断によって決められてしまっています。やりたいことができなくなり、人間の方がロボットになったみたい。何だか、大切なことを忘れてしまったような気がするけれど…。


 先のことが分からない中で失敗を避け、機械による無難な選択を取るべきか。


自分の気持ちを大切にして、苦労を重ねても自ら道を作っていくべきか。


心の奥を見つめ直すと、聞こえてきたのは「手をとりあい、助け合っていこう」という声。協力し合えば何でもできること、ロボットに頼り過ぎないこと。強く優しい気持ちと、未来をつくる想像力を持つこと…。


 人間が忘れかけていたものは、「人と人のつながり」でした。かけがえのないものを思い出し、大きな夢に向かって未来への希望を体いっぱいに表現し歌う姿は、とても立派でした。

新しい一日の始まり

「ワタシノイウトオリ二スルノガイチバンイイミライ」

精いっぱい夢を追いかけよう!

2年 音楽劇「ブレーメンの音楽隊」

投稿日:2019.12.03

 2年生は、グリム童話の一編「ブレーメンの音楽隊」に挑戦。


森の木々に扮したストーリーテラーたちが、物語を話し始めます・・・。


 


 働けなくなったロバは、ブレーメンの街角で大道芸人として暮らそうと、主人のもとを逃げ出します。道中、年を取って走れなくなったイヌ、ねずみを捕まえるよりものんびりする方がよくなったという老ネコ、天気予報のお役目から一転してスープにされそうなオンドリと出逢い、4匹は連れ立って旅を続けます。


 森の中に発見した明かりのついた一軒家を発見したロバ一行。ところが、時を同じくして、泥棒の集団もそこへ向かっていたのです。すっかりくつろぎ、ごちそうを食べる泥棒たち。ロバたちはその様子を伺い、音楽で驚かしてやろうと計画を立てます。


 急な音にびっくりして逃げていったものの、気を取り直して家に戻った泥棒たちですが、今度は動物たちの総攻撃を受けてしまいます。ネコは爪で引っかき、イヌは足にかみつき、ロバは思いっきり蹴り飛ばし、オンドリは大声で怒る…。泥棒たちは「恐ろしい魔女がいる家へは二度と近づくまい」と決め、ロバたちはこの家を気に入って、仲良く暮らし始めたのでした。


 


 2年生のフィナーレは、全員で歌う「♪幸せのリズム」。途中から、客席の大きな手拍子も加わりました。

 昨日、今日、明日を、夢いっぱいに!


 手を合わせ、心を合わせ、幸せに生きよう!


「いっしょにブレーメンへ行こう!」

驚き逃げ出す泥棒一味

♪幸せのリズム

4年 合奏「Heart-Warming Stage ~トイ・ストーリーの世界~」

投稿日:2019.12.03


 4年生はディズニー映画「トイ・ストーリー」から3曲を合奏形式で披露。まさに “心あたたまる”演奏を聴かせてくれました。


演目紹介のアナウンスが流れ、明かりがついて現れた4年生は、それぞれカウボーイ・カウガール風の衣装に身を包んだ、個性いっぱいの着こなしで登場。


 主に鍵盤ハーモニカとリコーダーのグループで真ん中からふたつに分かれ、全体が大きな「W」のかたちに並んだ状態でスタンバイ完了です!


 


♪ウッディーのラウンドアップ 


 陽気な音楽に合わせてステップを踏みながら、「さあ、楽しいステージがはじまるよ!」と歌いだした4年生。はじめに鍵盤ハーモニカ、そしてリコーダー、ピアノ、オルガン、打楽器と5つのグループを順番に呼んで、紹介していきました。


 


♪君はともだち


 心地よいテンポで演奏した「♪君はともだち」。楽しそうに体を左右にスイングさせながら、全員で息の合った演奏を届けてくれました。


 


♪ホエン・シー・ラヴド・ミー


 暗転の後、ステージ上の子どもたちは楽器を持ち替え、ほぼ全員が手にしていたのはリコーダー。劇中、持ち主だったエミリーの心が離れ、捨てられてしまうまでのカウガール、ジェシーの切ない気持ちを表現するように、一音一音心を込めて演奏しました。


 


そして再び「♪ウッディーのラウンドアップ」に乗せて。


皆さん いかがでした?


われらのこのハーモニー


57人 力合わせ


どんなときでも心を合わせりゃ最高!


最後の歌詞「サンキュー……」と歌いながらお辞儀をする姿。この動きもぴったり揃っていました。


楽しいステージの始まり

3年 ミニミュージカル「さいきょう版ANNIE〈アニー〉」

投稿日:2019.12.03


 転校生〈アニー〉とのやり取りを、楽器演奏あり、ダンスあり、歌ありのミュージカル形式で表現した3年生。


朝の挨拶をしあう子どもたちの中に、「リコーダーが苦手で憂鬱…」とこぼす男の子たち。そこでアニーは、「音で遊べばいいんだよ」と提案します。音で遊ぶってどういうこと?と首をかしげる友達もいましたが、楽器でおしゃべりするように吹いてみると、とっても楽しい! 他の楽器も加わって演奏したのは「♪やってみよう」。音楽の楽しさに、みんなが気付いたみたいですね。


 


 「♪Like It」の曲のカッコ良さに惹かれ、アニーに倣って「1234」とステップを踏み、ジャンプをして、手を叩いて、体を動かしていくと…これまたとっても楽しい! もっと踊りたいと思った子どもたちは、全員で「♪パプリカ」をBGMにダンス。


気分も上がり、まだいろいろなことがしたくなったようです。


 


子どもたちはすっかり前向きになり、「アニーがきてからみんなが変わったね」「アニーは天才!」と、口々に話します。けれど、当のアニー本人は、前の学校では友達がいなかったと告白。今の場所で新しい友達を作り、「今日がだめでも明日はきっと…」との思いでいたのだと続けます。たくさんの優しい友達に囲まれたアニー。彼女の口ぐせはいつしかみんなに広まり、全員が「なにもかも、きっとうまくいくよ!」と高らかに声を上げます。


はじめはアニーひとりだけだった「♪トゥモロー」ですが、次第に友だちの歌声が重なっていきました。


 


あきらめずに明日も頑張ろうと希望を掲げるアニーたちに、勇気をもらえたミニミュージカル。


アニー、ありがとう!


みんなで♪やってみよう

ダンスってたのしい!

♪トゥモロー「明日はしあわせ」

4年 合唱「歌の贈り物~子どものうたメドレー~」

投稿日:2019.12.03


 合奏に続き、今日2度目のステージに立った4年生。「歌の贈り物」として、よく知られている子どもの歌を二部合唱で4曲歌いました。


 


♪犬のおまわりさん


どこからか聞こえてくる泣き声。迷子になった子ねこの力になろうと、一生懸命周りに尋ねてみる犬のおまわりさんですが、本人(本ねこ)に声をかけても泣くばかり。誰に聞いても、子ねこの名前も家もわからない。頭を抱えて途方に暮れるおまわりさん。確かな結末のない歌ですが、きっとおまわりさんの奮闘によって、子ねこはもと居た場所に帰れたことでしょう。


 


♪ドロップスのうた


 缶を振るとカラコロカラコロ…。甘くておいしいドロップスは泣き虫な神様が流す涙でできていたという、楽しい「ドロップスのうた」。神様が涙を流すときの「♫ぽろ――んぽろん」は優しく、子どもや大人がドロップスをなめたり食べたりするときの「♫ぺろんぺろん」「♫ちゅるんちゅるん」は、かわいらしい振りをつけて歌いました。


 


♪さっちゃん


通常の歌詞の向こう側で、「さっちゃん…さっちゃん」と呼びかける声が聞こえていました。自分よりも小さい子を気遣うような優しい歌声で、先の合奏で披露した「♪ホエン・シー・ラヴド・ミー」と流れがつながった雰囲気が漂いました。


 


♪おとなマーチ


 苦いコーヒーが飲めるとか…遅くまで起きていたりテレビを見たりして、子どもに「早く寝なさい!」と言えるとか…タクシーにスマートに乗るとか…みんながなりたい『おとな』とは、さてどういうものでしょう?


 歌詞の「♫なりたいなりたい……なーりーた~~い たいっ!」の部分では、おとなになることが待ちきれない元気旺盛な子どもの姿を見ることができました。


♪犬のおまわりさん

♪さっちゃん

♪おとなマーチ「コーヒー飲んじゃう!がっぽがっぽ飲んじゃう!」

5年 合唱奏「組曲『動物の謝肉祭』より」①

投稿日:2019.12.03


 サン=サーンスが名曲のフレーズを取り入れ、楽しく作り上げた『動物の謝肉祭』を、才教バージョンでお届け。使う楽器はバイオリンやチェロでなくても、5年生は曲の持つ特徴をとらえて7曲を披露しました。


 


1曲 序奏と獅子王の行進曲(合奏)


大きくたくましい百獣の王ライオン。組曲は、そんなライオンの行進から始まりました。鍵盤ハーモニカとリコーダーの旋律をメインとする勇壮な演奏には、獅子王の余裕さえ感じられました。


 


2曲 雌鶏と雄鶏(合唱)


暗闇の中にいる動物は何だろう…しばらくすると、聞こえてきたのは、ココココココケー ココココココケー ココケー…まるでたくさんのにわとりたちが、そこかしこで甲高く鳴いているような三部合唱でした。


 


3曲 亀(リコーダー奏)



 舞台の端にそろっと設置されたゴールテープ。反対側では、走者4名がスタートの合図を待ちます。そして始まったレース!…ですが、亀レースなので、とにかく歩みがゆっくり。オッフェンバックの『天国と地獄』をゆっくり奏しながらの―…ゴール。のんびりした「亀時間」を堪能できました。


第1曲 序奏と獅子王の行進曲

第2曲 雌鶏と雄鶏

第3曲 亀

5年 合唱奏「組曲『動物の謝肉祭』より」②

投稿日:2019.12.03

4曲 象(合唱)


のそりのそりと歩く象も、ちょっと軽やかにワルツを披露。原曲ではコントラバス、ファゴットの低音が響きます。これらの楽器を演奏するような動きがあったり、象が鼻を振るように右手をゆらゆらしたりと、象たちのごきげんなダンスが見られました。


 


5曲 化石(合奏)


土の中に埋まった化石。これは生き物ではないけれど、ぽろぽろっと奏でられる音楽で、蘇ってしまうかも…!? ところどころで聞こえた「きらきら星」などは、骨がカタカタとダンスをしているような印象の演奏に聞こえました。


 


6曲 白鳥(合唱)


サン=サーンス唯一のオリジナル曲でバレエ作品「瀕死の白鳥」の曲としても有名。夜の湖に浮かび、羽を休める白鳥の優雅さをそのままに、5年生の透き通った歌声が、細く高く、会場にしみわたっていきました。


 


7曲 終曲(合奏)


 カーテンコールにふさわしい「終曲」の演奏。これまでの名曲の旋律が表れては消えていきます。子どもたちの後ろには、今日登場した動物たちがすべて表れ、パレードは華やかに締めくくられました。

第4曲 象

第6曲 白鳥

第7曲 終曲

6年 ミュージカル「44ひきのねこ  一歩ふみ出すその先に」①

投稿日:2019.12.03


 目の前にたむろする44ひきののらねこ。白・黒・茶トラに三毛模様と、いろいろなねこが、にゃぁごろにゃぁごろと鳴いています。しかし、立っているのもやっとなくらい、彼らははらぺこ。どぶ川でようやく釣ったメダカ1匹を、44等分にして食べなくてはいけないほどに…。


 


 ある日、空腹に耐えかねるみんなに「じーさん」が興味深い話を聞かせます。


「北の大きな星の下に大きな湖があり、途方もなく大きな魚がいるそうな――」


その魚は、ねこ200匹で食べても食べきれないほどだとも。それを聞いて色めき立ったねこたちは、じーさんからもらった地図を手に、湖を目指す旅に出ることにしたのです。


 


 湖に到着すると、ねこたちは帆に息を吹きかけ、力を合わせていかだを湖の真ん中まで運びます。そして、


「い…いる!」


ジャイニャンの声を機に魚の姿をとらえたねこたちですが、捕まえそこなうどころか、逆に魚にやられてしまう始末。余裕しゃくしゃくに魚が歌う様子をみて、ニャン太郎が「あの魚は音楽が好きそうだから、子守唄を歌おう」と提案します。


心地よい歌声で魚を眠らせ、再度捕まえようとするねこたちの手には、いつの間にかキラリと光る爪と武器。渾身の一撃で、魚をとらえることに成功しました。


(続く)


♫だから いつも はらぺこ

じーさんから湖の話をきくねこたち

準備万端、眠った魚に襲いかかる

6年 ミュージカル「44ひきのねこ  一歩ふみだすその先に」②

投稿日:2019.12.03


陸に揚げた魚のなんて大きいこと。保存食にすることも考えて、魚に手を付けるのはいったんお預け。


魚との格闘の疲れを癒すためにも、まずはぐっすり眠ることにしたねこたちですが、夜の闇の中で声が聞こえます。


……むしゃむしゃ……おいしー!……たまんない!……


 


明くる朝。丸々と大きな魚は、なんと骨だけになっていました。


「えー!?」と驚きの声を上げたねこたちのお腹は、あらら…皆一様にパンパン。寄りによって全員が、疲れもそっちのけ、闇に紛れて魚を食べてしまっていたのです。


 


ともかく、あたりを見回せば、そこは空気も景色も最高の場所。


「みんなで仲良く力を合わせれば、どんなこともできる!」


「ぼくらの新しい国をつくろう!」


そうしてここに、天国のような『のらねこ共和国』が誕生したのです。


 


 



最後の歌が終わると、ミュージカルを音楽で支えた楽団も舞台に上がり、全員そろってカーテンコールに応えた6年生。ノリノリでリズミカルな歌やダンスを披露し、一匹一匹のキャラクターもとても魅力的でした。「そうそう、ねこってこんな感じだ」と、思わずうなずいたり、くすっと笑える場面もあったり、ニャンとも幸せな舞台でした。

獲った魚は本当に大きい!

みんなのお腹はパンパン

のらねこ共和国の誕生