8月7日(金)、例年より2週間ほど遅くなりましたが、令和2年度1学期終業式を行いました。感染対策のため、終業式は校内放送のかたちをとり、生徒たちは担任とともに教室で校長の話に耳を傾けました。 【校長講話】 本校は今日、1学期終業の日を迎えました。4月6日に1学期が始まるも、わずか4日後には休校となりました。6月から学校が再開しましたが、体育祭をはじめ多くの行事の中止・延期が決まりました。日常生活では、検温やマスクの着用、密集・密閉・密接を防ぐ、大きな声を出さないなどの新しい生活様式に、多くの不自由を感じたことでしょう。このような状況にもかかわらず、明るく笑顔で、友達と切磋琢磨し、お互いに注意喚起をしながら1学期を過ごしたきみたちに、「本当によく頑張りました」と伝えたい。 さて、きみたちがこの1学期に学んだことは何でしょうか。それはおそらく、学校に通えることの嬉しさや、そうした日々を当たり前のように送れることのありがたさではないでしょうか。長い休業を経て学校が再開されたとき、きみたちはそう感じたと思います。「当たり前の日々」は、多くの人の営みに支えられ、多くの人の恵みによって成り立っています。そうしたことへの感謝の思いを一瞬でも持てたとすれば、それがきみたちにとって一番大きな収穫です。日々のありがたさや他者からの恵みに感謝でき、そこに幸せを感じ取れる人は、様々な人に恵みを与えることに喜びを感じられる人です。きみたちがそうした思いをもって「世のため人のために尽くすことのできる人」に成長していくことを願います。 明日から夏休みになります。例年、「五感をフルに使って、普段はできない様々な体験をしてください」というところですが、今年はそうはいかないようです。しかしきみたちには、才教生として今自分が何を成さなければならないのかを常に考えて行動してほしいと思います。 2学期が予定通り始まること、きみたちが満面の笑みを浮かべて学校に戻ってくることを誰よりも心待ちにしています。明るく楽しく、そして前向きに夏休みを過ごしてください。 ※写真は終業式前の大掃除の様子です。
教室の掃除や持ち物の整理整頓(1年生)
「砂埃が溜まって大変です」(9年生)
8月3日(月)、専業農家として働く新井さんと細萱さんをお迎えして3年生社会科の授業を行いました。本校在校生の保護者でもあるお二人。教科書だけでは分からない農業のあれこれをお話していただけないかとのお願いを快く引き受けて下さり、今回の授業に至りました。 新井さんはキュウリ栽培農家。1シーズンに3,000本以上の苗を植え、年に2回収穫するそうです。多いときで、5kgサイズの箱を1日100箱以上生産されるとのことでした。子どもたちの興味を引いた内容は、苗の病気を防ぐために行う「接ぎ木」についてで、ナイフで切ったカボチャ(台木)とキュウリの切り口をくっつけるこの「接ぎ木」の作業を、1本1本ご自身でするそうです。接ぎ木をして元気に育っている苗を見て、「どこまでがカボチャ?どこからがキュウリ?」と、生徒たちは不思議そうに観察していました。 細萱さんは主にイチゴを栽培しています。中でも、夏秋イチゴ(本来は果実の収穫が難しい暑い時期の収穫・出荷が可能)を育てています。栽培方法は、畑(土)での土耕栽培でなく、ハウスの中でヤシ殻を使った培地に苗を植え、養分の入った水をチューブで流し与える溶液栽培です。 収穫したイチゴを選別する「選果」の動画を見た生徒たちの目は、素早く機械が動く様子に釘付け。また、細萱さんが授業のためにご自身で撮影してくださった競りの動画にも興味津津でした。 また、お二人とも栽培や収穫で使用する道具や箱、収穫した農産物を使った製品を準備してきてくださり、生徒たちは使い方をたずねるなどして、具体的なイメージを膨らませました。 私たちがスーパーなどで手にする野菜や果物ですが、子どもたちには「農業」と自分の生活との関わりが見えにくいものになっていたかもしれません。 今回、農業が自分たちの生活に深く関わっていることが分かった3年生。農業が身近なものであることを教えてくださった新井さん、細萱さん、貴重なお話をありがとうございました。 最後に、生徒の質問とその答えのやり取りを少しご紹介します。
Q:育てている農産物の自慢はなんですか?
新井さん:手がけるキュウリの水々しさと歯ごたえです。2つのポイントがよくなるように、毎日大切に育てています。
細萱さん:私が作ったイチゴが、みなさんのよく知っている洋菓子屋さんでも使われていることです。
Q:働いていて大変だと思うことはなんですか?
新井さん:キュウリの収穫は全身を使う仕事です。体が痛くなることが大変です。
細萱さん:台風や大雪でハウスが壊れたりすると大きな損害が出ます。自然との関わり方は大変だと感じます。
(上)写真左から細萱さん、新井さん
しっかりメモをとっています
(上)イチゴ専用のウレタンクッション (下)接ぎ木苗を観察
7月31日(金)の1限目に避難訓練を実施しました。本来は4月中旬に計画していましたが、コロナウイルス感染防止のための休校措置により延期となっていました。 今回の重点項目は3つで、①避難経路とその方法を知ること ②避難に関する約束(おさない・はしらない・しゃべらない・もどらない)を守ること ③消火器の使い方を知ることです。 訓練は火災を想定したもの。警報器が火災を感知し、校内3階からの出火を確認。近くの教室にいた教職員による初期消火と同時に、消防への通報と全校生徒の避難を開始しました。 2か所の屋内階段のうち火元に近い階段は使えないため、3~5階に教室を構える8つの学年はほぼ一斉に同じ経路をたどることになります。感染症対策も考慮した訓練のため、特に高学年の生徒たちは、極力密にならないようにしながらも低学年の動向や自らの足元に気を配りつつ、出口を目指し速やかに行動しました。 訓練の最後には、消防署員から消火器の使用の説明を受けたのち、9年生と6年生からそれぞれ2名が消火訓練も行いました。 芳川消防署の皆さん、ご協力いただきありがとうございました。 ◆芳川消防署の方から 避難の際、一人が転ぶと、後に続く人たちが転んでしまう、転んだ人を踏んでしまうなど、二次的な災害が起こることがあります。前の人との間を適度にあけておくようにしましょう。 学校という場所柄、休み時間など先生が近くにいないときもあります。そういうときに、上級生は自分の安全を確保しつつ、下級生の避難誘導に力を貸してください。下級生のみなさんは、学校であれば先生や年上のみなさん、それ以外の場所でもお家の人や大人の言うことをしっかり聞いて、命を守る行動をとってください。 ◆入学後初めての避難訓練を経験した1年生の感想 ・大きな非常ベルの音にびっくりしたけど、学校で火事があったときにどうすればいいかが分かりました。 ・消防署の人に、避難のときに大切なことをたくさん教わりました。忘れないようにしっかり覚えておきたいです。 ※今回は文科省による感染症対策の方針を踏まえ、点呼時は全校を2グループに分け、通常より短時間での訓練としました。
(上)教室から避難する1年生 (下)校庭では全力で走る
消火器の使い方を教わりました
7月7日(火)、1・2年生の防犯教室を行いました。長野県松本警察署生活安全課の吉田さんにお越しいただき、1・2年担当の先生たちが「怪しい人」に扮し、次のようなロールプレイを行って子どもたちに注意を呼びかけました。 ①前から歩いて来た人に「一緒に公園へ行こう。楽しいよ。」と声をかけられ、体を触られそうになる。 ②車に乗った人から、「○○に行きたいけれど道がわからなくなって困っている。車の中にきて地図を描いてほしい。よかったら案内してもらえる?」と頼まれる。 ③近くに住む人から、「おいしいお菓子をたくさん作ったけれど、一人では食べきれない。家に来て一緒に食べよう。」と誘われる。 このようなときに、はっきり「できません・しません」と言えて、大声で助けを呼ぶことができればいいのですが、状況は様々。吉田さんは生徒たちに、しっかり断ること、相手の手が届かないところまで離れること、車のドア付近に近づかないこと、できればナンバーを覚えてメモを取ることなど、なぜそうした対応をすべきかという理由まで、丁寧に教えて下さいました。 「ランドセルや荷物をつかまれたら、どうしますか?」と聞かれた生徒は、「全部おいて逃げる」と答えました。 吉田さんは「お家の人が買ってくれたランドセルも大切だけれど、自分の命に代えられるものは何もありません。まずは命を守ることを一番に考えて」と話し、生徒も真剣に聞いていました。 また、通学途中には一般のご家庭やコンビニエンスストアなど、万が一のことがあったときに子どもを保護し警察へ通報してくれる「こどもを守る安心の家」があり、怖い思いをしたときに警察署や交番以外に頼るべき場所があることも、改めて学びました。 しかし、本当に困っている人もいるかもしれません。もし場所を聞かれて自分の知っているところであれば、「あっちです」と指で示して、決して行動を共にしないように、とのお話もありました。 ちなみに、「知らない人に対して挨拶をすることは悪いことではありません。」とも。元気で気持ちのよい挨拶は、本当の不審者に「ここでは悪いことはできないな」と思わせる抑止力になることがあるそうです。
授業終盤には、ランドセルについている防犯ブザーを片手で鳴らす練習をしました。取付位置、電池が消耗していないか、実際に音が鳴るか、この機にご家庭でも確認をお願いします。
車のナンバーや特徴が「てがかり」に
知り合いでも、約束のない誘いは断ろう
防犯ブザーの使い方をおさらい
新型コロナウイルス感染拡大防止のため休校していた本校ですが、25日(月)からは日課を2時間ほど短縮し、授業を再開しています。6月1日(月)からは、通常日課で授業を行う予定です。 再開した学校では、生徒も教職員も登校時は必ず健康チェック表を提出、手洗いと手指の消毒から一日が始まります。教室では可能な限り机間や生徒間の距離を取り、常時換気を行うなどしていますが、学校という場所柄、共用物も多いので、教職員による定期的な消毒は欠かしていません。 さて、話は休校中にさかのぼり、4月から取り組んできた授業動画について。 才教学園では合計600本を超える動画を配信しました。 先生たちは、どのようにしたら生徒が自宅で授業動画を活用してくれるのかをイメージし、1本1本に気持ちを込め、丁寧に撮影していました。 そして授業が進んでいくと、生徒から「(動画)授業の内容で質問があります」と連絡が入り、先生が電話やスカイプで生徒の対応にあたるといった場面が見られるようになりました。動画をしっかり活用してくれていることがわかり、とても嬉しく思いました。 撮影や編集など、普段の授業と異なる作業に最初は時間がかかりましたが、ここ数年でICT環境を整えてきたり、先生たちも研修を行ったりしていたおかげで、今回のように家庭での学習をサポートするための授業を展開することができました。 ●9年生による授業動画視聴の感想(メール回答より一部抜粋) ・ネット上には様々な勉強サイトがあるが、自分が在籍する学校の先生方の授業を受けることができてよかった。 ・考えを整理しながら授業動画を見ることができた。自分のタイミングで一時停止をしたり、分かるまで繰り返し見ることができたりしたこともよかった。 ・実際の登校ができない期間でも、自分が知っている先生たちの授業を安心して受けることができてよかった。 *** 5月からは、5~9年生で双方向通信システムを使用したホームルームを実施。本校ではG Suite for EducationのClassroomツールを使いました。生徒は指定された時間にパソコンやタブレットでログイン、担任と近況を報告しあったり友人らの様子をうかがったりと、和やかな時間を持つこともあったようです。 休校中は、一人ひとりの健康を守ることを最優先に、多くの方のご理解とご協力をいただきました。とりわけ保護者の皆様には、インターネット環境の整備やお子さまの生活に配慮いただくなど学校からのいろいろなお願いに対応いただき、本当にありがとうございました。
・1日3科目の配信があることを意識していたので、毎日だらだらせずに過ごすことができた。
今後も日々の健康観察や衛生面での安全確保など感染症対策は必須ですが、生徒とのコミュニケーションを大切にし、学校における新しい生活様式に確実に対応していきたいと思います。
手洗い+アルコール消毒、しっかりやっています
Ⅰ期のリーダー、4年生からのメッセージ
校内の消毒作業
新年度早々に臨時休校が決定し登校できない日が長引く中、5月18日(月)より学年ごとに登校日を分け、短縮日課での分散登校を始めました。およそ40日ぶりに登校してきた生徒たちの笑顔に、先生たちも安堵の表情。お互いにとても嬉しそうでした。 本校では在校生の通学状況と使用する教室状況を見て、今週は1日3つの学年が2日おきに登校する計画です。各フロアにつき1学年のみとし、18日は1年生、4年生、7年生(中学1年生)が登校しました。 国や県の方針、近隣地域の感染状況に応じ予定が変わることも視野に入れながらですが、登校にあたっては学校と家庭が連携して生徒を取り巻く環境に十分配慮することが大前提となります。マスクの着用や健康チェックカードによる体調管理、教室・廊下などは十分な換気を行う、スクールバスや校舎内は教職員が定期的な消毒作業を行うなど、全員で感染症の予防に努めます。 『学校に行けること、教室でみんなと勉強ができることは当たり前』とはいえない状況において、保護者を含め多くの皆さんにご理解・ご協力をいただいていること、医療の現場や感染対策の研究など人々のために寝食を惜しんで尽力してくださる人がいることを、私たちは決して忘れてはいけません。 少しでも早く「学校のあるべき姿」が戻りますように。 ●5月18日(月)1年生のようす 教室の入り口では担任の先生が「おはようございます。」と声掛け。先生以上に元気いっぱいの挨拶を返したり、少し恥ずかしそうなそぶりを見せたり、久しぶりに先生と会えたことを喜んだりと、ようすは様々です。しかし、みんなと学校生活を送るために一人ひとりが注意しなくてはいけないこととして、マスクの着用や手荒いに加え、4つの「しない(必要以上に触れ合わない・大きな声を出さないなど」を守るようにとの担任の話を、みんな真剣に聞いていました。
休校中の生活について生徒たちは、授業動画の視聴をしっかりしてくれていたようです。ほかには、自転車の練習・家族でオセロ対決・バーベキューなど、家族での時間を楽しむことができたという声が多く、中には「休み中に植えたトマトの苗が大きくなり、花が咲いた。早く家族みんなで食べたい」といったお話も
1年生のホームルーム
休み時間。じゃんけんも静かです…
休業期間における生徒たちの家庭学習支援のため、才教学園でも4月15日(水)より教員が作成した動画配信を行っています。
生徒のみなさん、上手に活用できていますか?
対面式の授業を行うことができない中でも、「起立・気を付け・礼」から始まる配信授業。先生たちの協力と奮闘のおかげです。
不安やストレスを抱えている人もいると思いますが、規則正しい生活リズムを維持するためにも、各学年のコンテンツを確認し授業を視聴しましょう。
生徒・保護者のみなさんには、始業間もなく休業が決定し、各ご家庭で対応いただくことについて大変なご負担をお掛けしています。学校行事では授業参観などすでに中止となったものもあり、今後も大幅に予定を変更しなくてはいけない可能性があります。
そしてなにより、学校という場において多くの先生たちが生徒不在のさみしさを感じています。
まだ窮屈な生活が続きますが、手洗い・うがいはしっかりと行い、安易に外出することは避け、学校再開の日を待ちましょう!
6年理科・実験動画の撮影中
教室はがらんとしています…
生徒会が折り紙でこいのぼりを作ってくれました(4月9日撮影)
4月6日(月)、新型コロナウイルス感染拡大の影響による一斉休校と春期休業を経て、学校が再開しました。本来であれば全生徒が集合し始業式を行うのですが、生徒は各教室で待機し、校内放送での始業式としました。 【学校長から生徒へのメッセージ】 新入生と在校生が一堂に会する始業式ができず、とても残念です。 みなさんの笑顔、熱いまなざしを見たかった。 みなさんの息づかいを聞きたかった。 突然の休校となった2月29日から、みなさんはどのような思いで過ごしたでしょうか。 何気なく過ごしている日々は決して当たり前ではありません。 毎朝、家族に「いってらっしゃい」の声をかけられ通学すること。 仲間と勉学に励み、おしゃべりを楽しみ、思いっきり遊ぶこと。 こうしたことは、多くの必然や偶然、そして多くの人々の努力によって支えられていると感じたでしょう。 何気ない日々、当たり前の日々が、何よりも愛おしく、何よりも大切です。 みなさんができることを精一杯やって、周囲に感謝しながら過ごしてください。 まずは、感染を防止するために今すべき行動はどのようなものか、常に考えましょう。 学校のみならず公共の場でも、9年生を頂点とするすべての上級生が下級生にその範を示し、才教生としての振る舞いを徹底して下さい。 今しかできないことを、一人ひとり固い決意を持って行いましょう。 苦しい状況下でも才教学園がひとつにまとまって、元気に学校生活を送れる日が一日も早く訪れるよう、すべての生徒に次の言葉を贈ります。
The flower that blooms in adversity is the rarest and most beautiful of all.
逆境の中で咲く花は、どの花よりも貴重で美しい。
―ウォルト・ディズニー―
一人ひとりが才教生としての自覚をもって凛とした花を咲かせ、学校全体を盛り上げていってくれることを望んでいます。
みんなで力を合わせてこの状況を乗り切りましょう。