投稿日:2023.08.08
話は競技に戻り、3・4年生の快勝で波に乗りたい赤組。総合優勝への兆しが見え、その表情は明るく変化していました。白組も、変わらず大差での勝利を目指します。
「大綱引き」は5・6年生が挑みました。メンバーを入れ替えながら、4回戦まで行われます。3回戦までは一勝につき10点が、最終戦は「走り綱」で15点と、勝てば大量得点も夢ではありません。まだ90点以上の差でリードしている白組も、決して油断はできません。
担当の先生がその都度人数を確認し、少ない場合は待機している生徒の中から追加の参加者が綱のもとへ。準備が整うと、まっすぐに置かれた綱にそっと手をかけ、雷管が鳴らされると同時に、力強い引き合いが始まりました。
スタートから勢いよく、あわよくばリーダーの掛け声や引きのリズムに乗りきる前に後ろに下がったのは赤組でした。中央で戦況を伝えるために先生が持っていた紅白の旗は、あっという間に赤が真上に。赤組はなんと4戦すべてに勝利し、45点を獲得しました。
この競技に対する心構えを胸に宿した5・6年生の様子を見て、綱引きはある意味、究極のチームスポーツなのだと思わずにはいられませんでした。
退場時は、上の学年も下の学年も、競技の当事者だった5・6年生も今日一番の笑顔となった赤組。気付けば総得点を47点まで縮めていました。白組も、負けていられないとばかりに「競技も少なくなったけど、絶対このまま優勝目指すぞ」と、更に熱を帯びた雰囲気に包まれていました。
投稿日:2023.08.08
才教学園の体育祭の競技はどれも見応えがあるとおっしゃっていただくことが多いですが、花形のひとつ「選抜リレー」は走者以外のほとんどの生徒が応援に回り、声援も活気づきます。男女別に赤白それぞれで2チームが編成され、レースが行われます。入場前にはチームの結束力をより強めようと円陣を組んで声を出す場面も見られました。
5年生から9年生までの選抜メンバーは、年1回のスピード勝負に向け、少ない時間を使って練習を行ってきました。テイクオーバーゾーン内でのスムーズなバトンパスやコーナリング、追い抜きを目指して、昼休みに集まっていたメンバーの見事な走りは、本番でいかんなく発揮されました。
前半を走る学年は半周、後半は一周と距離は異なりますが、大きなストライドで疾風のごとく駆け抜けていくさまにはとても迫力があり、「チームのために、自分の組のために一歩でも速く前へ」という気迫を、どの走者からも感じました。
1着は、男女ともに赤組の赤バトンチーム。走り終え、嬉しさと悔しさの両方から目元を抑え肩を上下させながらも整然と並ぶ一人ひとりの姿が凛々しく、拍手の中をウイニングランで進む様子は実に誇らしそうでした。
投稿日:2023.08.08
最終種目の「タイヤ取り」。センターラインに沿って並べられた大・中・小三種類のタイヤを取り合い、真っ向勝負を毎年見せてくれる9年生。もうすっかり才教学園の伝統です。勝てば15点が入る男子対決と女子対決、そして配点20点となる男女混合対決の3ゲームです。赤組と白組の点差はリレー終了時点で43点と、赤が追いかける展開となっていました。
今日一番の応援、拍手を受けて9年生が位置につきました。逃げの選択肢など一切なし、各対決においては力比べのみならず、どのタイヤを誰が取りに行くかといった、初動も大きく影響することはみんなが分かっています。
練習ではまだ互いに和やかなムードが漂っていましたが、この日、このときは本当に真剣な表情でぶつかる覚悟がひしひしと伝わってきました。
競技は1回戦・女子対決から手に汗握る戦いに。膠着状態で苦しい中、会場全体から生徒を応援する声が上がります。2回戦の男子対決も制した赤組。最後、ほとんど白組に持っていかれたタイヤに追いついた赤組・鎌倉くんの、他に類を見ない脚力に拍手喝采。白組の代表者と堪えに堪えた戦いでタイヤを奪いとる姿は圧巻でした。
男女一名ずつの代表選までもつれ込んだ最終対決。1年生から8年生は、声を枯らすほどの声援と太鼓の音で9年生にエールを送り続けていました。勝ちへの執念は、赤組のそれが白組を上回ったのか...、3回戦までも赤組が勝利し、この競技の総得点50点をすべて手に入れました。
同じ組の中で、そして互いの組に対して健闘を称え合う姿に、才教生としての矜持が、生徒一人ひとりの中に確かにあることが感じられたと思います。
退場後のバックグラウンドでは、悔しさで落ち込み、むせび泣く白組に、完全勝利と健闘の感謝で喜び合う赤組と、同じ涙でも感情の異なる涙を流していました。後輩にしかとその背中を見せてくれた9年生、本当に素敵でした。
投稿日:2023.08.08
戦いの熱さを少しクールダウンさせて、全校は閉会式へ。
【実行委員長挨拶】
「無事に体育祭を終えることができました。悔いの残らない勝負ができましたか? 楽しかったこと、勝てて嬉しかったこともあると思います。一方、悔しい思いをした人もいると思います。それらの感情は、みなさんが真剣に、全力で、体育祭に取り組んでいた証拠だと思います。この体験はきっと、みなさんの大切な思い出になるでしょう。
保護者のみなさま、今年度の体育祭はいかがでしたか? ご来賓、保護者のみなさま、先生方、最後まで応援の言葉やサポートをありがとうございました。
こうして体育祭を開催できたこと、応援に来てくださった方々に感謝し、頑張った自分自身に拍手を送りましょう。みなさん、本当にお疲れ様でした。」
実行委員長の挨拶に続き、得点係長からまず「学校長賞」の発表が行われました。Ⅰ期徒競走で、男女別に各学年1位のタイムを出した生徒に贈られました。名前を呼ばれ、校長から「おめでとう」「頑張りましたね」と声をかけられ、こつんとグータッチ。笑顔で賞状を受け取り、記念写真に納まる姿も堂々としていました。
いよいよ総合優勝の発表です。
「第18回体育祭、赤組201点、白組194点。総合優勝は赤組」
得点係長の言葉が終わるより前に、赤組からは勝利を心から喜ぶ声が溢れました。一時は100点以上あった点差を、後半の競技で勝利を重ねて巻き返した赤組は、最終的に7点差で総合優勝に輝きました。
白組からは、好敵手への敬意と自分たちの頑張りを称える拍手。どちらも本当に大健闘の一日でした。
総合優勝の賞状とカップを手渡す際、校長は赤組正副キャプテンに「おめでとう。最後まで、よく諦めずに頑張りましたね」と優しく話かけました。また、MVPに輝いた鎌倉くん(赤組)にも、トロフィーを渡しながら「素晴らしい活躍でした」との一言を贈りました。
【学校長講評】
「赤組のみなさん、優勝おめでとう。最後の最後まで諦めずに頑張ることの大切さ、それを身をもって学んだと思います。ぜひ今日のこの勝利の喜びを忘れず、これからの学校生活に生かしてください。
白組のみなさん、お疲れ様でした。一歩、届かなかった。みなさんの中に油断があったとは思いませんが、赤組の気迫が上回ったのだと思います。でも、この接戦の経験を忘れないでください。今年悔しい思いをした1年生から8年生には、来年がある。雪辱を果たしてください。
本当にすばらしい体育祭になりました。私は、何よりもみなさんが競技に全力、応援に全力、係の仕事に全力する姿が美しかったと思います。
多くの卒業生も駆けつけてくれました。先輩から受け継いだその美しい伝統を、これからもつないでいってください。
すばらしい戦いを見せてもらったこと、みなさんに感謝します。
投稿日:2023.08.08
体育祭もいよいよフィナーレ。コロナ規制の緩和で控えめにせざるを得なかった校歌斉唱も、思い切って歌えるようになりました。ここ数年で一番の声で歌われた、全校での「われら地球の子」。高らかな歌声をやまびこドームいっぱいに響かせることができ、すがすがしく喜ばしい雰囲気で締めくくることができました。
閉会式の後にはキャプテン講評が各組に分かれて行われました。トップたちの言葉をうなづきながら聞く生徒たちを、保護者のみなさんが労いの表情で見守っていた姿には大きな優しさが滲んでおり、学年別に設けた解散場所では、9年生の保護者の方から、「これで最後だと思うとやっぱり寂しいです」「勝っても負けても、全力を出し切った子ども達をたくさん褒めてあげたい」といったお話をいただきました。
在校生として最後の体育祭を終えた9年生からは、「今年、このメンバーで勝てて本当に嬉しかった」「負けて悔しいけど、仲間と協力して取り組めたいい思い出になりました」と率直な感想が聞かれました。だいぶ疲労も溜まっていただろうと思うのですが、それを感じさせないくらいの元気さも見せ、保護者のみなさんが構えるスマホに明るい笑顔を向けていました。
投稿日:2023.08.08
第18回体育祭を事故や大きなけがなく終えられましたのも、多くの方々のご協力があってこそです。
会場として使用させてくださったやまびこドームの関係者のみなさま、生徒と同じくらいの活動量で数々の名場面と生徒の雄姿を撮影して下さったカメラマンの山田様、早い時間から会場周辺で誘導などをしてくださった校友会保護者会役員のみなさま、そして在校時と同じように今の生徒を応援し片付けにも尽力してくれた卒業生のみなさん、本当にありがとうございました。