9月24日に行われた第40回長野県中学校英語弁論大会で、9年(中学3年)の加藤紬くんが全体2位に入賞し、高円宮杯第74回全日本中学校英語弁論大会決勝予選大会への出場を決めました。
このほど学校で県大会の賞状伝達を行った際は、小松校長から「5分という短い時間の中ですが、英語を駆使し自分の考えや思いをしっかり伝えてください。長野県代表として中央大会(※)でも好成績を収め、高円宮杯を目指し頑張ってくれることを期待しています」と激励の言葉が送られました。
10月の決勝予選大会(ビデオ審査方式)、11月の決勝大会を目指す加藤くんにお話しを聞きました。テーマのこと、スピーチを通じて届けたい思いなどを熱く語ってくれました。
--テーマを「Nursing care in our future」としたきっかけ
来年79歳になる僕の祖母はまだまだ元気。たまに会いに行っては庭仕事などを手伝いますが、最近は以前に比べて物忘れが多くなってきました。数年前に両親が、「いつかおばあちゃんも老人ホームにお世話にならなければいけない日が来るかもしれないね」と話していたのを聞いて、当時、僕も子どもなりに考えたことがあります。ホームに入れることはいいことなのか、入れなくてもよい方法はないのか。
そこで初めて知ったのが、介護の問題でした。少子高齢化が進んだ今の日本では、人手不足が深刻化している介護業界に対し、高齢者の人数は増加していて、問題は山積みです。このことについて提言したいと、「Nursing care in our future」というテーマにしました。
--スピーチを通して伝えたいこと
多くの人が先に挙げたような問題を認識し、理解していると思います。僕のスピーチを聞いて、自分たちにできることがあるのか、自分たちはどう行動するのか、ぜひ家族と一緒に考えてほしい。それが、初めの一歩になると思っています。
--ここまでの練習、提出用動画の準備について
原稿が完成してから、暗記、発表練習という流れです。自分で書いた文章なので暗記はそこまで苦労しませんでした。しかし、スピーチを頭の中でするのと実際にしゃべるのでは事情が全く違います。5分と言っても口が乾くし、難しい発音を繰り返したり、場合によっては言いやすい単語に変えたりする苦労もあって、自分の「舌との戦い」です。
ネイティブのTobin先生からたくさんのアドバイスをもらい、練習は楽しく取り組めました。担任の矢崎先生に、提出する動画が納得できるスピーチになるまで、撮影に協力してもらいました。
--中央大会に向けて
自分の力だけではなく、周りの皆さんに助けてもらい、県大会で2位に入ることができました。まずは予選の動画審査ですが、思いが届くようカメラの前で一生懸命にスピーチしました。決勝大会に進むことができたら、聴く人の記憶に残る発表をしたいです。
以下、英語科の教員であり加藤くんのクラス担任を務める矢崎先生のコメントです。
「『幼少期のエピソードを増やしたい』と、地区大会から県大会までの間に原稿を大幅に修正しました。3分の1を超える修正は失格、という規定ぎりぎりのところまで、自身で語数や文の数を調整し、納得のいくよう直しています。表情や話す速さ、緩急やジェスチャーもこの短期間で見直し、より良いスピーチになるよう練り上げました。練習は本人のペースに任せていましたが、一度スイッチが入るとその集中力と練習姿勢には目をみはるものがありました。」
国内最高峰のスピーチコンテストにチャレンジする加藤くんの健闘を祈ります。
※決勝予選大会 (10月12日、13日)および決勝大会(11月18日)をあわせて「中央大会」と称します。
賞状伝達の後、校長先生と話す加藤くん(9/29、学校にて)
県大会直前。校長、教頭、クラスメイトの前で発表練習(9/21)
県大会は担任の矢崎先生と会場へ(9/24、長野県総合教育センター)