今年度より才教学園で導入が始まったSTEAM教育。課題の解決や創造力、思考力を効果的に育むための取り組みです。今年の5年生のSTEAM教育のテーマは『レゴで自動車を動かそう』。このテーマをクリアするために避けて通れない技術が、「プログラミング」です。そこで、6月12日のSTEAMの時間では、プログラミング概念の導入として「イベントを細分化してみよう」と題したワークショップを開催しました。
講師としてお迎えした信学会の西澤健司先生は、「私たちは日常の行動(イベント)に対して、どう判断し行動しているのか」と生徒に問いかけました。例えば、「自販機でジュースを買う」というイベントでは、[飲みたいものを選ぶ][機会にお金を入れる]「販売機のボタンを押す」[飲み物を取り出す]といったことが必要です。
授業の前半、生徒たちは提示された課題=自分が細分化するイベントの流れをできるだけ詳しく書き出す、ということをしました。後半は、何人かのワークシートをスクリーンに映し、西澤先生に講評をいただきました。
生徒のイベントの一例、【朝起きてから学校に着くまで】では、朝起きる/布団から出る/ご飯を食べる/歯を磨く/バスに乗る(一部抜粋)・・・といった具合です。
しかし、このようにできるだけ詳しく書き出していても、西澤さんからは「もし目覚まし時計が鳴らなかったら?」「平日も休日も同じ行動をとるのか?」など、さらに多くの小さなイベントの存在を示唆されました。
「直感でしていることというのは、ほかのたくさんの選択肢の中から脳がこれだ!と選択したものに過ぎない。もしバスが予定通りに来なかったらどうするか。走って学校に行くか、誰かに電話をかけるか、さまざまな可能性がある。今日みなさんが書き出した内容は、基本的にすべて“YES”、つまり異常が起こらない場合を想定しているものが多いけれど、そうしたことすべてが、プログラミングの基本となる考え方です」と西澤先生。それを聞いて子どもたちからは「あ~、分かる~!」「確かに・・・」といった呟きが聞かれました。
本校では低学年からタブレット端末を使い、レゴブロックの『WeDo』や、ウェブ上の『コードスタジオ』などでプログラミング技術を磨いています。これらの学びによって子どもたちには「機械やプログラムを動かすためにコードを入力する力」は、身についてきています。5年生では、こうして身に着けてきた力をこれから一年間かけて発揮・昇華していくことになります。生徒の興味関心は非常に高く、これからの授業が一層楽しみです。
生徒が記入したシートに講評くださる西澤さん
「イベントの細分化」ワークシート