投稿日:2023.12.23
一言で表すなら、「挑戦」の舞台。前半は演劇面で観客をしっかり惹きつけて「ワクワク感」を高めること、そしてコンサートの盛り上がりへと向かっていく...。「舞台」としたことで、合い間合い間に心情などを伝える歌が入るではなくなり、前半は芝居重視、後半からクライマックスにかけては歌唱メインと、色合いが異なる作品を届けてくれました。
そういった意味で、これまでの8年生が演じてきたミュージカルとは一線を画すものだったと思います。現に、こだわりが垣間見えた背景やエンドロールからも、芸術面、技術面でSTEAM学習の要素を大いに含んだ演目の先駆けになりました。
やはり主人公のバスター・ムーンを演じた彼女の演技なくしては、このように引き締まった作品にはならなかったと思います。また、ムーンの脇を固めるキャストの頑張りも特筆すべきもの。体全体を使った演技と歌に魅了されました。例えば、ムーンの劇場に勤めるミス・クロウリーは、そのふるまいやセリフ回しが作品のいいアクセントになっていたと思います。キャスト以外のところ、的確な演奏や道具の使い方も大したものです。
オリジナルの映像作品、1作目と2作目をうまくミックスさせた脚本を作るのには相当な苦労があったと思います。しかし、その脚本に沿って物語を進め、さいきょう祭の演目として完成させたことにおよそ感服です。
本番での機転の利いた状況判断と、それに合わせた楽団の対応力で乗り切ったこと。8年生が紆余曲折しながらも一体感を培って成長してきたことの表れです。舞台に意識を集中させていたあの感覚と一体感で、これからの1年間、才教学園をリードしていってほしいです。