投稿日:2019.12.03
―どうか私の才能の全てを出させて下さい― ベートーヴェン (ハイリゲンシュタットの遺書) 才教生が歌う3年目の「第九」は、躍動的な指揮と7・8・9年生の張りのある合唱が大きく美しく響き、よくここまでやってくれたという発表でした。歌う部分は年々多くなり、今年は12分30秒という迫力のステージとなりました。開会式での校長の言葉を借りれば、生徒が確実に「成長を見せつけてくれた」演目です。 「第九」をドイツ語で歌うにあたって、日本語にない発音、言葉の意味を捉えることの苦労がありました。しかし、楽譜に忠実な表現を行うには至らなくても、曲の持つチカラと、そこに込められた勇気や平静、気高さを思わせる情景を、その歌声で示してくれたように思います。指揮者、四声のソリストたち、ピアノ、ティンパニ、オルガンなどの伴奏者を含め、全員がとても輝いていました。 盛り上がる終盤に、ホールの一番奥まで、また一番高いところまで届くように放たれた合唱と伴奏。指揮者の動きが止まり、清々しい余韻の緊張感が残る中、大きな拍手をいただいて今年の「第九」は終わりました。 最後まで歌いきった生徒たちは、冒頭に掲げたベートーヴェンのメッセージをまさに体現してくれたよう。ここで「第九」を歌った経験が大切にな思い出のひとつになりますように…。